京都での生活

京都の基本情報と1200余年の歴史の中で脈々と引き継がれてきた風習やしきたりをご紹介いたします。

京都の基本情報

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京都府は南北に長く、北は日本海に接しています。手足を折りたたんでいる恐竜のような形に見えるのが特徴ですかねw 京都府の面積は4,612 km²で、その内京都市の面積は827.9k㎡になっています。京都府も京都市も北部よりも南部に人口が多い傾向があります。

京都市域の気象は、三方を山に囲まれているという地形的特徴から、寒暖の差が大きい「内陸性盆地気候」を特徴としています。盆地地形のため年間を通じて風が弱いという特徴もあります。京都の夏の暑さは「油照り」、冬の寒さは「底冷え」と表現されますが、これも風が弱く空気が動かないことによるものだと考えられます。

京都市内には38の大学・短大があり(平成29年度)、学生数は人口の約1割に相当し、全国の大都市で最も高い割合です。しかも他府県者が7割と大半を占めていますので全国から集まった学生が交流し刺激し合いながら生活しています。

京都市内の中心部であれば急な坂はまずないので、移動は自転車が一番便利で経済的でもあります。ただ碁盤の目のような通りで風景が似ているので住み始めの方はどこにいるのかわからなくなるかもしれませんw 平坦に見えても実は北に向かって徐々に標高が高くなっていて、「北山通」と「東寺の五重塔」は同じくらいの高さなんですよ。J-STAYでは無料で自転車の貸し出しもしています。

国から指定されている17の伝統的工芸品があります。染織(西陣織,京鹿の子絞,京友禅,京小紋,京くみひも,京繍,京黒紋付染)、工芸(京仏壇,京仏具,京漆器,京指物,京焼・清水焼,京扇子,京うちわ,京石工芸品,京表具,京人形)。

京都市内には寺社仏閣も多く、神社が243、寺院が1527(平成26年度)あるとのことで、総数1770もあります。京都府になると神社378、寺院2446になります。ちなみに人口比で全国と比べてみると、神社は島根県が最も多く、寺院はお隣の滋賀県が一番となっています。

風習やしきたり

新年を祝って元旦にいただく縁起のいいお茶『大福茶(おおぶくちゃ)』。その昔、京で疫病が大流行したときに、空也上人が梅干しを入れたお茶を病人にふるまったところ、疫病が下火になったそうです。時の天皇がこれにあやかり、毎年元旦にこのお茶を飲むようになったことから「皇服茶」「王服茶」と呼ばれました。煎茶に梅干しと昆布を入れて飲むものが主流ですが、玄米茶やほうじ茶など、お茶屋さんによってさまざまなパッケージで「大福茶」として販売されています。

祇園祭は八坂神社のお祭り、ということは有名ですが、なぜ祇園祭というのでしょうか?それは明治以前の八坂神社が「祇園社」と呼ばれていたことに由来しています。祇園とは祇園精舎のことで、八坂神社の祭神は牛頭(ごず)天王。牛頭天王は仏教を開いた御釈迦様がインドで説法を行った場所「祇園精舎」の守護神です。

八坂神社の御紋がキュウリを輪切りにした時の断面と似ています。そのことが由来で、祇園祭が行われる7月になると祇園祭の関係者や氏子達はキュウリを食べないという習わしがあります。「恐れ多い」とのことからだそうです。一方で、祇園祭で見かける屋台ではキュウリの一本漬けも売られています^^

ちまき、と聞くと食べ物を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、祇園祭のちまき(粽)は食べ物ではなく、笹の葉で作られた厄病・災難除けのお守りです。毎年祇園祭のときにだけ各山鉾のお会所や八坂神社で販売され、京都では多くの人がこれを買い求め一年間玄関先に飾ります。中には何も入っていませんよ。

お盆の時期が終わった京都や関西地方では直後に地蔵盆と呼ばれる伝統行事の時期がやってきます。お地蔵さん(地蔵菩薩)は、地獄の鬼から子どもを救う守り神とされています。そのお地蔵さんに日頃の感謝を伝えるのが地蔵盆になります。町内の人たちが集まり子供向けのイベント(かき氷やみたらし団子、射的、スーパーオール救いなど)を行ったり、お坊さんにお経を上げてもらい説法を聞きます。ハイライトは数珠回しといって、数メートルもある大きな数珠を子どもたちや町内の人で念仏を唱えながら回していきます。

京都の路地は整然としますが幅が非常に狭いので車で通過するには難易度が高く、車が壁を擦る等の事故が頻繁に発生します。このため家の角に石を置いて守るという自衛手段が普及したと言われます。大通りや観光地付近では見かけませんが、中心部の一方通行の住宅地などでは未だに見かけることがあります。

暖かくなるにつれて鴨川の川岸に腰掛ける人たちが増えてきます。カップルが並んで座っている風景がよく知られていますが、なぜか川岸においてたたずむカップルやグループの間隔が自然に等間隔になる現象が起こります。鴨川に行った際にはぜひ注意してみてください。

京都人は本音と建前をよく使う、というのは有名ですが、例えば、「どうぞ家に上がっていって下さい」などと誘われた場合は、2回目までは「いやいやそんなお気を遣わずに」などと、やんわりと断りましょう。それでも誘ってくれる場合は、相手は心から家に上がって欲しいと思ってくれているので、お誘いに乗りましょう。

京都は北部よりも南部の方が人口が多いので、海水浴へは日本海へ行くよりも南の京都府外の方が近いことがあります。また、海水浴ならぬ湖水浴へ、近江舞子などの琵琶湖へ行くことも多いようです。ややもすると、関西以外の人に京都には海がないと思われていたりもします。

灯台下暗し、ではないですが、混雑を避けるためか観光名所にはあまり行かないようです。観光客の方が京都観光に詳しいこともしばしば。金閣寺や清水寺にも子どもの時に連れて行ってもらってから以来は行ったことないなぁ、という人も多いようです。

歴史の長さ故か、読めない地名が多いです。「先斗町(ぽんとちょう)」や「壬生(みぶ)」などは有名ですが、「不明門通(あけずどおり)」や「罧原(ふしはら)」や「艮町(うしとらちょう)」など、読み方の想像もつかないような地名や通り名も多いです。

近頃では京都に限ったことではないですが、京都市には屋外広告物条例というものがあり、看板などは周囲の景観との調和に配慮しなければならないので、わびさびの効いた色合いになっていることがあります。